2020年4月1日 [ 商標・意匠情報 ]
改正意匠法（４月１日より施行）のご案内

２０２０年４月１日より、改正意匠法が施行されています。
以下、改正意匠法のうち特に重要と考えられる事項について、その概要をご紹介いたします。

１．保護対象の拡充
（１）画像意匠
これまでは、画像意匠について、物品に記録・表示されていなければ保護されませんでした。
しかし、改正意匠法施行後は、物品に記録等されていない画像（クラウド上に記録され、ネットワークを通じて提供される画像や、壁等に投影される画像）も画像意匠として保護することが可能となりました。

（２）建築物、内装のデザイン
　これまでは、建築物といった不動産（内装含む）のデザインについて、量産される「組立家屋」等に該当する場合を除き保護されませんでした。
しかし、改正意匠法施行後は、建築物のデザイン（内装デザイン含む）も、建築物の意匠、内装の意匠として保護することが可能となりました。


２．関連意匠制度の拡充
（１）出願可能期間の変更
　これまでは、本意匠の公報発行日前まで（約８ヶ月）に関連意匠として出願をする必要が
あり、公報発行日以後は、関連意匠としての出願は認められませんでした。
　しかし、改正意匠法施行後は、本意匠（基礎意匠（最先の本意匠）があれば基礎意匠）の出願から１０年以内であれば、関連意匠として出願することが可能となりました。

（２）関連意匠に「のみ」類似する意匠の保護
　これまでは、本意匠に類似する意匠のみ、関連意匠としての登録が認められており、関連意匠に「のみ」類似する意匠について関連意匠としての登録は認められませんでした。
　しかし、改正意匠法施行後は、前述の出願可能期間内であれば、関連意匠に「のみ」類似する意匠についても関連意匠としての登録が認められることとなりました。


３．その他
　下記事項も改正されていますので、項目のみとはなりますが、ご紹介します。

（１）存続期間の変更（登録日から２０年→出願日から２５年）
（２）創作非容易性水準の明確化
（３）間接侵害規定の拡充
（４）損害賠償額算定方法の見直し
（５）組物の意匠対象の拡充

以上ご紹介しました今般の改正意匠法に関し、当法人では、昨年１１月にいち早くセミナーを行い皆様に詳しくご紹介を行っており（当法人主催セミナー『2020年施行の法改正を先取りして業務に活かしませんか？』）、セミナー開催後も改正意匠法の施行に伴ってその内容が改正された意匠審査基準、施行規則等についても最新の情報を入手し、皆様へ適切なアドバイス等ができるように研究を重ねております。
そのため、今般の改正意匠法に関して何かご不明点等ございましたら、担当：弁理士　小早川まで、お気軽にご連絡をいただけますと幸いです。